HOW TO ゲレンデマジック
スノーボーダーが必ず一度は陥る現象「ゲレンデマジック」
わからない方はいないと思うが説明しておこう。
簡単に言えば「男も女もゲレンデでは3〜5割増しに見える」現象だ。
・帽子とゴーグルを着用している
・雪の照り返しによる美白効果
・ウェアによって体型が隠れる
・非日常の世界
このような条件が複雑に絡みあって最低でも3割り増し、その人のポテンシャルによっては5割り増しかそれ以上に「可愛く」「カッコよく」見えてしまうのだ。
ただ「ゲレンデマジック=ゲレンデの魔法」と名が付いていることからも分かるように、この現象は上記の条件がなくなるにつれて効果もなくなっていく。
「あの人めっちゃカワイイ(カッコイイ)」と思っていた人がレストランでゴーグルを外した瞬間に「んん!?え!?」となる。
これはスノーボードあるあるの中でも粉状になるくらいコスられてきたあるあるエピソードで、もはや古典落語に近い感すらある。
このように「ゲレンデマジック」は文字通り「ゲレンデ限定の魔法」なのだが、
これを利用しない手はない。
この記事を読んでいるブサイク諸君。
君たちブサイクが日常生活で「カワイイ」「カッコイイ」と言われることがあるだろうか?
チヤホヤされることがあるだろうか?
今回のコラムではこの「魔法」をより強力にする方法をご紹介したいと思う。
自分はブサイクではないという方はすぐにパソコンをシャットダウンして、女性は中村アンみたいな髪型にアヒル口でSNS用の写真を撮っててもらって結構だ。
男性なら先の尖った靴を履いて合コンにでも出かけてクソつまらない会話に花を咲かせていただいて構わない。
それではブサイク諸君、「正しいゲレンデマジックの使い方」について学んでいこう。
さて、ブサイク諸君。
君たちはゲレンデマジックについてこう思ったのではないだろうか。
「ゲレンデ限定なら、意味ないじゃん」
そう。
確かに、ゲレンデでブサイク諸君がいくら魔法をかけても、いつかはブサイクだとバレてしまう。
だがここで勘違いして欲しくないのは、「ゲレンデマジックとは見た目に作用する」のであって、ブサイク諸君の「性格や人間性に作用するものではない」ということだ。
君たちはブサイクなのだから、当然ヴィジュアルを売りにしてはいけない。
性格で勝負するべきなのだ。
しかし、日常生活では君たちブサイクはまずヴィジュアル地区大会で予選落ちし、性格王座決定トーナメントに出ることすら叶わない。
性格で勝負しようにも、土俵にすら立てないでいる。
それがゲレンデではどうだろう?
「あら不思議、スノーボードしてるだけで性格王座決定トーナメント進出じゃん!!」
となるわけである。
あとは、ブサイク諸君がそのブサイク人生で培ってきた人間性を思う存分発揮すればいいだけだ。
とはいえ、よりゲレンデマジックを効果的に使用したほうがブサイク諸君の人間性が引き立つというもの。
そのテクニックを以下にご紹介しよう。
ゴーグルを決して外すな!
これはテクニック以前のことだが非常に大事だ。
ゲレンデマジックの根幹を成すと言って良い。
「え〜、曇ったりお化粧くずれたりするし、、、」
と思ったブサイクちゃん、
君にこの金言を送る。
それと、ゴーグルを外してはいけないということは、レストランでの「ゲレ食」も諦めてもらうことになる。
当然だ。説明するまでもない。
ゴーグルをしたまま食事なんて逆にイタイ奴になってしまう。
たまにスキー場近くのコンビニなどで私服なのになぜかゴーグルを着用して店内をうろついている大学生(多分)がいるが、業界では彼らを「ゴーグル好き太郎」または「嬉し」と呼んでいる。
気をつけていただきたい。
グーフィーに転向しろ!
スノーボーダーには圧倒的にレギュラースタンス(左足が前のスタンス)の人が多く、そのプレミア感からなのかグーフィースタンス(右足が前のスタンス)の人はチヤホヤされやすい傾向にある。
グーフィーという響きも少しかっこいい。
「いや、、急に転向なんて難しくて無理だ、、、」
と思ったブサイクくん、君はブサイクな上に頭もかたい。
実際にグーフィーで滑る必要などないのだ!
「俺、グーフィーだけど、今日はスイッチの練習しーよぉっと!!」
(注:スイッチとは本来のスタンスとは逆向きに滑ること)
と最初に宣言するだけで良いのだ。
あとはいつも通りレギュラーで滑るだけで、
「すご〜いあの人ずっとスイッチで滑ってる〜」
となるわけである。
ただ、頭のかたいブサイクくんからはさらに、
「リフトに乗るときどうするのか」というくそしょうもない意見も出てきそうだ。
リフトまでスイッチで乗るのは不自然だし、グーフィーのワンフットなんか難しすぎてボロが出てしまう!ということなのだろうが、、
そんなことを案ずる必要などない。簡単な話だ。
ゴンドラに乗ればいい
単純明快。
仲間がリフトに乗りたいと騒ぎ出したら、断固拒否。
場合によってはそいつのゴーグルを谷底へ投げ捨ててやろう。
気になる女性がリフト乗車を望んだ場合は、迷わず後頭部に手刀を叩き込もう。
この時第二頚椎のやや上あたりへ8割くらいの力で叩き込むと良いだろう。
腕だけで打つのではなく、腰の回転を利用して力よりもスピードで打ち抜くことを意識するのが大切だ。
それで、気を失った彼女と仲良くゴンドラへ乗車することができるはずだ。
今回のハウツーはここまでだが、ゲレンデマジックを効果的に使う方法はまだまだある。
この記事を参考にして、素敵な「魔法使い」になっていただきたい。
了