滑っている時に聴きたい
トッププロが選んだベストソング
歌には不思議なパワーがある。聞くだけで気分を高めてくれたり、逆に穏やかな気持ちにさせてくれたり、また歌詞に勇気づけられたりもする。歌は人類史上最も尊い発明だ。
スノーボーダーにもイヤホンをしながら颯爽と滑っている人は多い。自分の好きな歌を聴きながら好きなように滑る。誰にも邪魔されない最高の時間である。
スノーボードアスリートにとってはさらに重要なコンテンツだろう。スロープスタイルやハーフパイプ競技でスタートを待つ間でも、多くの選手がデバイスをいじっているのをよく目にする。自分の好きな歌で気持ちを高め、パフォーマンスを最大限に発揮するためのメンタルを整えているのだろうと考えられる。
そこで気になるのが「彼らは滑っている時にどんなアーティスト、どんな歌を聴いているのだろう?」ということだ。気分を高揚させる激しいものなのか、または緊張を和らげるしっとりしたものか。
ということで今回は、SPINSPIN編集部が総力をあげた調査で分かった「プロが滑りながら聴いている歌ベスト3」を発表しよう。
トッププロが聴いている歌
第3位
持統天皇
春過ぎて夏来にけらし白妙の
衣干すてふ天の香具山
(春が過ぎ、夏が来たらしい。夏になると白い衣を干すという天の香具山に真っ白な衣が干されている)
冬のスポーツであるにもかかわらず意外にも夏の歌がランクイン。冷え切った身体と心をこの歌で温めるということだろう。世界一有名なスノーボーダー、ショーン・ホワイトは平昌オリンピックでこの歌をヘビロテしていたとか。
【トッププロの声】
・夏を思い出してテンションあがる
・早く海に行きたい
・「てふ」のところがグッとくる
トッププロが聴いている歌
第2位
和泉式部
あらざらむこの世のほかの思ひ出に
いまひとたびの逢ふこともがな
(私はまもなく死んでしまうでしょうが、あの世への思い出として、せめてもう一度貴方にお逢いしとうございます)
第2位には、スマッシュヒットを記録した和泉式部のラブソングがランクイン。死の間際の儚くも情熱的な叙情を歌い上げる歌詞が多くの支持を得た。命がけのパフォーマンスを披露するトッププロ達には共感できる歌なのかもしれない。
【トッププロの声】
・大会中に涙が止まらなくなった
・徳永英明にカヴァーしてほしい
・ラブソングはaikoか式部
トッププロが聴いている歌
第1位
小野小町
花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせし間に
(花の色は、すっかりあせてしまいました。むなしく長雨が降り、物思いにふけっている間に)
プロ達から最も多くの票を獲得したのは、世界三大美女の一人にも数えられる小野小町。やはり有名アーティストはトッププロ達にも人気の様子。少し物悲しいしっとりとした歌だが、大会中の荒ぶる気持ちを抑えるにはちょうど良いようだ。世界最高のスノーボーダーと言われるトラビス・ライスは背中に「小野小町」とタトゥーを入れているといないとか。
【トッププロの声】
・三大美女のリリックにシビれる
・小町カワイイ
・私は小町が売れる前から知ってましたけどね
以上、大物アーティストが上位を占める結果となった。あなたのオススメスノーボードソングもぜひ編集部にお寄せいただきたい。