あなたには助手席に座る資格があるか?
「楽しくスノーボーディングをしたい」という方はこの記事を見ながら挙手を願いたい。
当たり前だがほとんどの方が手を挙げたことと思う。当然だ。楽しいからスノーボードをするのであり、その日を楽しむためにわざわざ遠い雪山まで足を運ぶのだから。
もし「スノーボードはするけど楽しみたくない」という人がいるのなら、その人の心中を察するのはなかなか難しい。「スノーボードが楽しくない」ならまだ分かるが、「楽しみたくない」という人は何か自らに修行僧よろしく強固な枷でもつけているのか、はたまた「嫌いだけど好き」的なツンデレ演出なのか、どちらにせよ関わらないのが無難だろう。
そんな特殊なメンヘラスノーボーダーを除き、ほとんどの人は楽しむために雪山へ向かうわけである。
ところがその雪山に向かう道中、楽しい1日に水を差しかねないある問題が発生してしまう。
それが、、、、
助手席のヤ ツまったく使えない問題である。
スキー場へ向かう時には交通費や手間などを考慮し、複数人で1台の車に乗り合いで行くことが多いだろう。
ファミリーで行くぶんには助手席に誰が乗ろうと問題ない。
だいたいは父親が責任を持ってハンドルを握り、助手席で嫁がグースカ寝ていようとも眉ひとつ動かさず(俺は自動運転のAIだ、、、ただ少しだけ普通のAIより感情があるだけ、、、俺はAI、、、)とひたむきに目的地へ向かえばよい。家族内のパワーバランスは出来上がっているので何ら問題ない。
問題が発生しやすいのは仲間内や社会人サークルなどで向かう場合だ。
まず誰が車を出すのか。車の種類によっては半ば強制的に自分の車が選出されることもある。
初めての道、走り慣れない雪道運転は誰しも敬遠したいところだが、自分が車を出すとなれば運転せざるを得ない。
そうなってくると誰を助手席に据えるかは重大な意味を持ってくる。
ダカール・ラリーに代表される自動車ラリー競技において、ナビゲーターと呼ばれる助手席に座る人物の職責は非常に重要だ。
SPINSPIN編集部の頭脳・Wikipediaには助手席の重要性が明記されている
全世界の法典・Wikipediaには、『ドライバーは「走る事」だけに専念し、助手席はその他全ての役割を行う。物理的・精神的両面でドライバーを走ることだけに集中させる』とダサいファイヤーパターンのタトゥーのごとくこれでもかとハッキリ書かれている。
そう、つまり助手席に乗る者は、初めて通るルート、慣れない雪道、眠さなどからくるドライバーの不安や疲れを出来得る限り取り除き、ドライバーに「運転だけに集中できる環境」を提供しなければならないのである。
それがどうだろう?もし出発して早々から助手席のヤツが眠りこけていたら、、、??
早くに出発した朝、眠い目を擦りながらハンドル握るなか、眠気覚ましのビンはカラ、隣で爆睡するバカさっさと買ってこい眠眠打破!!DA〜HA〜ヒィえ!
と、ひとりで薄ら寒いライムの効いたリリックと共にスキー場に向かう羽目になってしまうのだ。色んな意味で地獄である。
なので助手席の者は、ドライバーの眠気や緊張をホグすべく軽快かつウィットなトークを展開しながら並行して、ルート案内はもちろん車内の温度管理、BGMの選定、ドライバーの疲れ具合を判断して休憩の提言、あおり運転を繰り返した末に激昂したドライバーが相手を殴りに行く時にガラケーで撮影するなど、ありとあらゆるサポートを行わなければならないのだ。
また、闇雲に車内トークを展開すればよいわけではない。
集中力を要する雪道ではやたらと話しかけない、といった配慮に基づいた緩急のあるトーク術が必要になってくる。
そうして限りなくストレスを除去されたドライバーは1日楽しくスノーボードに没頭できることだろう。
さて、あなたの場合はどうだろう?
助手席で眠ってばかりいないか?スマホばかり見ていないか?
自分の胸に手を当てて思い返して欲しい。
そしてもし、この記事のようなことに心当たりがあると気づけたのであれば、あなたはきっと変われるはず、、、
いつも助手席に座るあなた自身が変われば、ドライバーの方も運転しながら素敵な笑顔を見せてくれるはず、、、
気付いたあなたはきっと替われる、後ろの席へ。