ハーフパイプの心得
ハーフパイプ。
オリンピックを初め、様々な大会で日本人の活躍は目覚ましく、ハーフパイプがどんな競技なのかはもはや説明不要だろう。
しかし、ハーフパイプが常設されているスキー場自体が少ないため、実際に中を滑った経験のある方はそれほど多くないのではないだろうか。
実物を目にしたことすらない方もいるはずだ。
また、実物を前にしても
「入ってもいいのだろうか?」
「どう滑ればいいのか?」
「上手い人達の迷惑にならないか?」
「怖い」
など考えてしまい、スルーしてしまうという声もよく耳にする。
もったいない!
と言う他ない。
斜面に対してU字型のコースが続くハーフパイプには、「スノーボードが上達する」ための要素が満載なのだ。
「スノーボードが上達する」とはすなわち、キッカー、JIB、グラトリ、カービング、地形遊び、パウダー、すべてに影響してくるということである。
スノーボードが上手くなりたいなら、ハーフパイプに挑戦してみよう!
ハーフパイプに入ってみたいが、入りづらいという初心者の気持ちもよく理解できる。
そこで、今回はハーフパイプに入るための心得をご紹介しよう。
まず、多くの人が勘違いしているのが、
「上手い人しか入っちゃダメなんじゃないか」という考え。
例えば、大きなキッカー(ジャンプ台)を飛ぶには、その大きさに見合ったスピードと安定性がないと着地地点まで届かず、フラットな部分に叩きつけられる可能性があり、危険だ。
なので、スピードと安定性に不安を抱える初心者は大き過ぎるキッカーはオススメできない。
しかしハーフパイプは違う。
ハーフパイプは、自分の好きなスピードで入れば良い。
スピードが出せる人は高く飛べるし、出せない人は飛べない。それだけのことである。
必ずしも飛ばなくてはいけない、綺麗に滑り降りなければいけないなんてルールはないし、誰に迷惑をかけるわけでもない。
つまりハーフパイプの中をゆっくりカービングするだけでも全然オッケー、もしコケてもまた起きて下まで滑り降りればいいだけだ。
「初心者コース」「上級者コース」「ビギナーパーク」「上級者キッカー」など、スキー場内ではレベル別にカテゴライズされた表記をよく目にするが、ハーフパイプの入り口に『上級者用』などと書いた看板が設置してあることは絶対にない。
つまり、ハーフパイプは誰が入っても良いし、誰でも楽しめるアイテムなのだ。
さて、入っても良いというのはわかったが、それでもなかなか足が向かないというのが正直なところだろう。
そういった方にはひょっとしてこんな心理が働いているのではないだろうか?
「上手な人達ばかりで緊張する」
気持ちは大いに分かる。ハーフパイプに限らず、自分よりレベルの高い環境に飛び込んでいくには勇気が必要だ。
だが、こう思い込んでみてはどうだろう?
「ハーフパイプってすごく難しいと聞くのに、この人達はとても上手だ。ここまで上手くなるにはいろんなものを犠牲にしたはず。
つまりこの人達は、
ハーフパイプを取ったら何も残らない可哀想な人達なんだ」
と。
こう思い込むことで、
「スノーボードは負けてるけど、人としては勝ってるわ」
と、精神的に優位に立てるのである。
さらに、自分に何か得意分野があればより精神的に楽になることができる。
例えば、
あの男の人めっちゃハーフパイプ上手いけど、、、
・俺の方がきっと稼いでるぜ!
・俺の方がチンコでかいはず!
・UNOなら負けない。
とか、
あの女の人めっちゃハーフパイプ上手いけど、、、
・私の方がカワイイ!
・乳輪の色なら絶対負けない!
・私はドモホルンリンクルを使っています。
など、自分だって負けてないんだ!と考えることで少しハーフパイプに入りやすくなるだろう。
場合によっては自分を奮い立たせる手段として、自分の得意分野を叫びながらハーフパイプに入っていくのも非常に有効である。
自分にあまり誇れるものがない、という末期のネガティブさんは、こう考えるといいだろう。
「同じ人間がこんなに飛ぶはずない。この人ら絶対マリファナやってるわ」
こう思うことで、なんでそんな奴らにこっちが遠慮しないといけないんだ!という一種の開き直りが生まれ、あなたがハーフパイプに挑戦する後押しとなってくれるはずだ。
ただこの場合は、叫びながらハーフパイプに入っていかないこと。
「絶対マリファナやってるぅぅ〜!!」
などと叫びながら滑っていると色々とややこしいことになるので気をつけていただきたい。
以上の心得をもとにぜひハーフパイプに挑戦して、さらに豊かなスノーボードライフを満喫してもらいたい。