top of page

上手くなりたい子供とジャマする親

スノーボードはもはや子供の習い事の選択肢の一つである。週に何日か、オフトレ施設でレッスンをお願いして子供を預ける。それこそ月謝制でレッスンを受けに通っている子供たちも少なくない。これは大いに喜ばしいことだと思う。野球やサッカーその他のスポーツクラブのように、子供たちの成長をスポーツを通して育む文化にスノーボードが名を連ねるのであれば素晴らしことだし、そうして少しずつでもスノーボーダーが増えてくれることも嬉しい。

おそらく他のスポーツに比べるとスノーボードは相当なお金が掛かる。子供の成長に合わせたギアの新調、リフト代やレッスン料、大会に出るとなると遠征費など、保護者の方は本当に大変なはず。保護者の方の覚悟と愛情を考えると、ただただ頭が下がる。子供たちは親孝行しなさい。

ただ、そんな覚悟と愛情が勢い余ってか、子供たちのレッスンでは「あること」が起こるらしい。

そんな内情を、大人から子供までレッスンを多く手掛ける某プロスノーボーダーAさんにお聞きした。

スキーキッド
ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

​Aさんはどういったところでレッスンを?

アバター89

雪山ではもちろんですが、オフシーズンにもオフトレ施設などで技術的なことに関してレッスンを行なっています。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

​レッスンを受けにくる子供たちはどんな子たちなんでしょう?

アバター89

もちろんみんな無邪気でスノーボードが大好きな、いたって普通の小・中学生ですよ。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

やはりみんなプロだったりオリンピックを目指すような子たちなのでしょうか?

アバター89

以前はわざわざレッスンを受ける子たちってそういう高い目標を持った子たちが多かったです。今もそういう子は多いですけど、習い事感覚というか、ただ楽しくて上手くなりたいから来る子たちも増えましたね。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

なるほど。子供たちへのレッスンを通してやり甲斐や楽しいことはなんでしょうか?

アバター89

それはやっぱり子供たちが成長した時ですね!できなかったトリックができた時とか、子供ってわかりやすくめちゃくちゃ顔がキラキラします。顔にあまり出さない子でも雰囲気が明らかに変わって、スタート位置に向かって歩くスピードが速くなったり、わかりやすくて面白いですよ(笑)こっちもウキウキしちゃいますね!

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

子供の素直な反応は嬉しいですね!では逆に、大変なことはありますか?

アバター89

やはり年齢や性格によって理解度が全然違うのは大変でもあり面白いところですね。その子の年齢や性格、技術、目標などに合わせて言わないと伝わらなかったり、やる気にならなかったりしますから(笑)。まあそれは子供に限らず大人へのレッスンでも同じかもしれませんが。もちろん他のスポーツでも。

アバター89

ただね、教え方とかについては僕の問題ですし勉強すべきところだと思っているんですが、「もったいないな」と思うのが、親の存在が子供の成長を邪魔してる場合があるんですよね。これは他のスポーツでも起きる現象みたいなんですけど、、、

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

親御さんが?具体的にはどんなことが?

アバター89

そうですね、、、例えば、僕がキッカーやハーフパイプの下で子供が滑り降りてくるのを見ながら待っていたとします。

アバター89

滑り降りてきた時にアドバイスをするわけなんですが、ある子供は降りてくると僕の話を聞く前に必ず僕の後ろの方を見るんです。

アバター89

何を見てるのかな?と気になって振り返ると、その子の親御さんが少し離れた所から身振り手振りで子供にアドバイスしているんですね。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

なるほど。一見熱心な親御さんに思えますが、何か問題があるのでしょうか?

アバター89

これはぶっちゃけ問題アリです。子供が二人から同時に言われたアドバイスを両方ちゃんと消化して反映できるかと考えれば、難しいでしょう。子供はどちらのアドバイスを聞けばいいのかわからなくなります。

アバター89

子供にとって親は大きな存在なので当然耳は傾けます。子供はまったく悪くありません。かと言って親が悪いのかというと「悪い」という言い方はできません。愛情から起こす行動なので。

アバター89

だから、「もったいない」という言い方になってしまいます。親のアドバイスが合っている間違っている以前に、親にいちいち口を挟まれると大抵の子供はつまらなくなってしまいます。スノーボードがつまらなくなると、いつしか「やらされている」に変わります。心から楽しんでやっている子とやらされている子を比べると、楽しんでやる子の方が挑戦することに前向きで上達も早いと思います。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

親の愛情から起こる行動だけに難しい問題ですね。どう解決していけばいいのでしょうか?

アバター89

そうですね。この話題はよく親御さんに問題があると思われがちなんですが、それで話を終わらせると解決できないと思っています。問題なのは「親・コーチ・子供」間の信頼度だと思います。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

信頼度ですか?

アバター89

はい。親がコーチに絶対的な信頼を寄せていればレッスン中に口は挟まないと思うんですよ。また親が信頼していたとしても、子供がコーチを信頼できなければ、その不安を親は必ず感じ取りますから、親の信頼も揺らいでしまうでしょう。

アバター89

その信頼関係を築くためにはコーチは傲慢であってはならないし、信頼されるべく勉強しないといけないですよね。ただ、信頼関係が築けるまで多少の時間はかかるので、教える側としては親御さんに「初めはジッと我慢してください」とはお願いしたいところです(笑)

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

なるほど。確かにそれが一番健全な関係性に思えます。

アバター89

それでコーチのことが信頼できなければスパッとやめて他の人にお願いすればいいと思います。まあこの問題以外にも親同士の小競り合いとかもありますが、、、今日は置いといて。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

それはそれで大変そうですね(笑)

アバター89

まあ何にせよ、レッスンに任せたなら親は技術的な口出しはしないほうがいいと思います。親はスノーボードのプロじゃないんですから。コーチが教えたことが親にあれこれ言われて次の週におかしくなってることもよくあります。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

親御さんも熱が入るとどうしても色々言ってしまいそうですよね。

アバター89

挑戦を踏みとどまっている子供の背中を親が後押しすることで一歩踏み出せたり、親にしか出来ないことが確かにあったりします。親御さんの存在はめちゃくちゃ大切です。だからこそ親御さんは子供を支えてあげてください。スノーボードが楽しめるように応援してあげてください。そして、ティーチングとコーチングの方はプロに任せちゃいましょう。

 

あ、上手に出来ない子供を叱りつけるとかはもちろん論外ですよ。

ファイル 2017-03-16 20 08 37-iloveimg-compre

三者間で良い関係が築くのが大切ですね!Aさん本日はありがとうございました!

アバター89

僕も日々勉強したいと思います!あと、SPINSPINにすごく悪いお手本になる記事が載っていたので最後にご紹介させていただきますね!

スクリーンショット 2020-08-12 13.47.37.png
bottom of page