メンタル分析テスト
スノーボードが上手くなるために絶対に必要不可欠な要素がある。
いくら運動神経が良くても、体力があっても、どんなに良い環境に身を置いても、その「要素」が無いとある程度のところまでしか上達することはない。絶対に。
それは「メンタル」、つまり「精神力」である。
滑走スピードは上がっていき、攻略するアイテムは大きくなっていき、エアーの高さは上がっていき、トリックの難易度は上がっていき、抱えるリスクが上がっていく。
上達するということは、リスクの階段を一段一段登っていくことなのだ。
そこには必ず「恐怖心」が付きまとう。
その恐怖心を克服する「メンタル」なくして上達はない。
メンタルは練習、経験、自信などによって培われていく部分もあると思うが、その逆もまた然り、脆弱なメンタリティは練習量と自信を奪う原因にもなる。
「心・技・体」とはよく言ったものである。
だが、「目に見えないメンタルというものをどう押し計ればよいのだろう?」
今回はメンタルに関するそんな疑問を解消に導くコラムである。
このコラムであなたのメンタルレベルがわかる!!
突然だが、公共のトイレはなぜあんなに「静か」なのだろうか?
ゲレンデではガンガンBGMを流すくせにトイレに入った瞬間、水を打ったように静寂が流れる。スキー場に限らずいたるところで感じる疑問だ。
ここで、こんなシチュエーションを用意してみた。
想像しながら読み進めていただきたい。
あなたはスキー場でスノーボードを楽しんでいる。午前中滑りまくってお腹が空いて、ゲレ食のカレーを少し食べ過ぎてしまった。
午後も滑っていると、当然のように「ウンコ」がしたくなってきた。
気付いた時にはかなり限界に近い状態で、お昼に食べたカレー級のウンコが直腸を圧迫している。
直滑降で滑り降り、トイレに駆け込むとそこは別次元にワープでもしたのかと錯覚するほどの静寂に包まれている。自分以外は誰もいない。
急いで個室に入り諸悪の根源カレーウンコを放出するため便座に腰掛けた時、数人の人間がトイレに入ってきた気配をあなたは感じ取った、、、
この後、あなたならどうするか?
①一切何も気にすることなく、音を出して「ブヴァッ!!ブパパパパーッ!!」と盛大にウンコを放出する。
②控えめに、慎重に、音を殺して「モリ、、モリ、、ポチャン、、」と優しくウンコを放出する。
③外の人の気配が消えるまで我慢する。
注)なお、音姫などというヌルい機能は付いていないものとする。
実はこの回答によってあなたのメンタルの強さが分かってしまうのだ。
静寂のトイレで他人に自分のウンコ放出音を聞かれるのは、顔を合わせていないとはいえ相当恥ずかしいものだ。
「気持ちよくウンコを出したい」✖️「音が恥ずかしい」
この狭間に立たされた時の行動で、その人のメンタルの強さはほぼ正確に把握できる。
まず、①一切何も気にすることなく、音を出して「ブヴァッ!!ブパパパパーッ!!」と盛大にウンコを放出する。
これを実行できる人は類い稀なる強靭なメンタルの持ち主である。
「気持ちよくウンコを出したい」という欲求に対してまっすぐで、恥ずかしさなど吹き飛ばすどころか、そもそも考えもしない。
人としてはどうかと思うが、スノーボーダーとしては素質抜群である。
スノーボード界の絶対王者ショーン・ホワイトがこのタイプ①なのは業界では有名だ。
次に、②控えめに、慎重に、音を殺して「モリ、、モリ、、ポチャン、、」と優しくウンコを放出する。
実はこの手のタイプが一番多く、ごくごく平均的なメンタリティの持ち主と言える。
恥ずかしさに押されながらも、最終的には目的を達成できる「コツコツタイプ」とも言えよう。
しかしながらスノーボーダーとして見た場合には、「そこそこ上手くはなるがトップには立てない」ということは明らかである。
スノーボードは趣味までにとどめておくのが無難だろう。
そして最後、③外の人の気配が消えるまで我慢する。
これは、恥ずかしさに飲まれて目的達成を放棄してしまったということ。
つまり、メンタリティの強度としては非常に脆弱である。
しかし、「現時点では非常に脆弱である」という言い方もできる。
なぜなら、ウンコの音を聞かれる恥ずかしさに負けてしまった一方で、一度安心させた肛門括約筋を再び締め直すタフネスさを持ち合わせているからだ。
この③のタイプは何かのきっかけで、タイプ①をも上回るメンタリティを獲得するケースも少なくない。
タイプ③のスノーボーダーは、一線を越えた時に急激な成長を遂げる素質を持っている。
世界最高のスノーボーダー、トラビス・ライスも元々はタイプ③だったと言われている。
以上3つのタイプに分けてメンタル分析を行ったが、3つのうちどれにも当てはまらない方。
ひょっとして、「水を流している間にウンコをする」ではないだろうか?
もしそうなら、残念ながらそれはメンタル分析では最低のメンタルレベルである。
水洗の音をカモフラージュに使うという一見合理的なようにも思える手法だが、それはただ自分との戦いから逃げているだけに過ぎない。
こういうタイプは誰かの力を借りないと問題解決できず、メンタルが成長しづらい傾向にある。無駄に水を流して環境にもよくない。
もしハッとした方は、明日からタイプ②か③から徐々にチャレンジしていってもらいたい。
そしていつかタイプ①になれた時、あなたのスノーボードスキルは驚くほどの進化を見せるはずだ。