ゲレンデを一日爽快に滑って、最高の気分で家路につく時、ふとお気に入りのマイボードのソールを見ると身に覚えのない深い傷が、、、
なんていう経験をしたことがある方は少なからずいるのではないだろうか。
最高の気分から一気にテンションはガタ落ち、、、
帰りの運転でエンジンブレーキすらかける気にならない脱力感、、、一歩間違えば命にも関わる。
「気付かぬうちにソールを削る」
そんな鬼の所業を平然とやってのけるのが、「あいつ」だ。
今回、特別なルートから「あいつ」との接触に成功。
単独インタビューを決行した!
サイレントキラーの実態を暴く!!
石
石頭のサイコ野郎
編集部(以下、編):
まず、このオファーに応じていただいたこと、感謝いたします。
なぜこのインタビューを受けようと?
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編:
あなたのプライベートなことや素性などは一切掲載しませんのでご安心ください。
インタビューに応じていただくにあたり、何か思うところがあったのでしょうか?
・・・・・・・
編:
心の内までは明かしたくない、と言ったところでしょうか、、、
では、前置きは抜きにして本題に移らせていただきましょう。
「スノーボード」というスポーツ、そして「スノーボーダー」の存在はもちろんご存知ですね?
・・・・・・・
編:
愚問でしたね。
そのスノーボードで、大事な大事な板の滑走面が、あなたたち「石」によって削られるという「事故」が毎年各地で頻発しています。
当然そのこともご存知でしょう?
・・・・・・・
編:
・・・・・・・
編:
・・・石さん、私はあえて今「事故」と言わせていただきました、、、
「事件」とは言わずに「事故」と!
実際、多くのスノーボーダーは「事件」だと認識しているでしょう、、、器物損壊だと。
しかし!
それはスノーボーダー側の一方的な言い分であって、あなた方「石」からすればまったく別角度からの主張があるかもしれない。
今回インタビューを行う上で、私は両者にフェアでありたいと思っています。
なぜなら、まずインタビューに応じてくれたあなたへの敬意と、両者の言い分はどうであれお互いの主張をぶつけ合うことで問題が少しでも解決に近づくような生産的なインタビュー記事にしたいからなんです。
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編:
それなのに、、、あなたは質問に対してなんの反応も示さない、、、
まるで「石に灸」【何の効き目も、反応もないこと】じゃないですか!!
長年この問題は放置されてきました。
この対談によって、今こそ「一石を投じる」【平穏なところに反響を呼ぶような問題を投げかけること】時なのではないですか?
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編:
・・・・・・・
編:
わかりました。
あなたがそのスタンスを貫くならそれで構いません。
頑固なお方だ。黙っていても「我が心石に非ず、転ずべからず」【心が確固として不動であること】と聞こえてくるようですよ、、
しかし、このような声を聞いても、まだあなたの心は動かないのでしょうか
「大事な板を傷つけられた。一気にやる気無くした、、、」(男性/大学生)
「必死でお金を貯めて、やっとマイボードを買ったのに、、、こんなことって、、ひどすぎる」(男性/会社員)
「大切な人の形見だったのに、、、でも仕方ないよね。彼らを恨んでも憎しみが憎しみを呼ぶだけ、、、もともとスキー場は彼らの場所なのだから」(女性/ブロガー)
「人に憎しみを持たないようにすると、必ず綺麗になりますよ。やさしい心と奉仕の精神が美しさと若さを保つ何 よりの化粧品なのです」(女性/瀬戸内寂聴)
「おしゃれな女は、掃除が下手と見て、だいたい間違いない」(女性/瀬戸内寂聴)
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編:
ぐうの音も出ませんか?
みなさん非常に悲しんでらっしゃいます。当然でしょう、「人、木石に非ず」【人は、感情を持たない木や石とは違い、感情豊かな動物であるということ】ですからね。
あなたが直接この人達を傷つけたわけではないですし、ほとんどの石達は人目に付かないところでひっそりと暮らしていることも承知しています。
しかし、これらの声に耳を傾け、少数の石達が行った蛮行を文字通り「他山の石」【他人の誤った言行を、自分の修養のために役立てること】とすべきなのではないでしょうか?
そうすることで、このような悲しい事故が減っていくように思えるんです。
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編:
、、、あなたがおっしゃりたいこと、わかります。
「人間も気をつけるべきだ」と、そうおっしゃりたいのでしょう?
間違いない。間違いないです。その主張が「漱石枕流」【自身の失敗や負けを認めようとしないこと。言い訳ばかりすること】などとは思っていません。
そうなんです!
『お互いに気を付ける』
これこそがこの問題を解決に向かわせる最良の策だと私も思います!
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編:
ここにきてようやくあなたと少し心を通わせた気がします。
あなたもそう思うでしょう?
正直あなたのこと、「石部金吉鉄兜」【非常に物堅く生真面目な人。また融通のきかない人のこと】でまるで「石地蔵に蜂」【何とも感じないこと】のような方だと思ってましたが、
「石に立つ矢」【一念を込めて事を行えば、できない事はないというたとえ】の気持ちでお互いにぶつかる事で、今では「金石の交わり」【固い友情で結ばれた、変わらない交わりのこと】が築けたと思っています。
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編:
私たちが分かり合えたんですから、きっと石と人間も分かり合えるでしょう。
時間がかかるでしょうが、、、
「石の上にも三年」、、、です。
編:
私は絶対人間許しませんけどね。
2016年 インタビュアー 切り株