シャバ雪の完全攻略法
巷では桜が咲き乱れお花見だなんだという声が聞こえてくる。すっかり春である。
一般的には春がくればスノーボードシーズンは終わりを迎え、スノーボード用具一式は押入れの奥にしまわれてしまうのだろうが、実はスノーボードシーズンはまだまだ終わらない。
ゴールデンウィークまで営業しているスキー場はたくさんあるし、標高によっては初夏まで滑れる場所もあるのだ。
これからの時期はスキー場に向かう道中に雪がなく運転はストレスを感じない。
ハイシーズンを過ぎたゲレンデは人も少なくコース全体をのびのび使って滑ることができるうえに、多くのスキー場は春料金を設定しておりリフト料金はハイシーズンよりも安い。
そしてシャバシャバで柔らかくなった春雪は、転んだ時の衝撃が少なく様々なトリックに挑戦するのにもってこいの環境だ。
つまり、春こそ費用対効果は高く、狙い目と言えるのだ。
しかし人によっては春のシャバシャバの雪が苦手という人も多いようだ。理由は板が走らない、エッジがズレるといったものが多いようだが、そんなことを理由に早々とシーズンアウトしてしまうにはもったいない。
シャバ雪とどう向き合っていくのかが人生を豊かにするために非常に重要なテーマになってくるのである。
シャバシャバの雪(以下シャバ雪)はハイシーズンに規則正しく圧雪されたゲレンデに慣れている者にとってはイレギュラーな動きが起こりやすく不安がつきまとう。
これは刑務所に長く服役している受刑者が仮釈放で社会(以下シャバ)に復帰する際、「シャバが怖い」と口にするのと奇しくも同じ現象である。
刑務所の規則正しくある意味平穏な生活に慣れてしまい、激しく変化していくシャバに不安を感じてしまうのだ。
このようにシャバ雪とシャバ復帰は語呂も似ていればその構造も似通っている。
シャバ雪。シャバ復帰。
スノーボーダーも受刑者もまずはシャバに慣れることが大切。シャバが苦手、シャバが怖いなどと言っている場合ではない。シャバに押し潰されてシャブに手でも出したらそれこそシャバへの復帰は難しくなるだろう。
シャバに慣れるための方法はシャバダバダ。失礼、様々だ。
スノーボーダーならワックスを塗る、受刑者も就職に備えてヘアワックスを塗る、などお互いをヒントにしたシャバ対応はいくらでもある。
またシャバへの不安を抱いている者には各都道府県が設置する地域生活定着支援センターやハローワーク、スノーボードプロショップなどの相談窓口もある。
再犯を繰り返さないための周りのケアも非常に大切なのだ。
どうかシャバを恐れず、この春に新たな一歩を踏み出して欲しい。
そうした暁にはこの言葉を送らせていただこうと思う。
「もう、戻ってくるなよ」と。